ドルの代替え通貨として

世界経済は基本的にドルを中心にまわっています。しかし、サブプライム問題を受けての金融市場の混乱と景気減速懸念からドルに対する信頼は薄れつつあります。であれば、その代替えは?

欧州連合(EU)の統一通貨【ユーロ】

1999年1月に生まれたユーロは、EU加盟27カ国のうちドイツ、フランス、イタリアなど12カ国の参加で始まり、現在は15カ国で採用されており、欧州連合(EU)の統一通貨として期待されました。2009年1月からは新たにスロバキアが加わり参加国は16カ国になり、加盟国は拡大傾向にあります。

外国為替市場における取引量も多く、世界の為替取引全体の40%近くがユーロに絡んだ取引となっています。取引量がとくに多い通貨ペアは、

  • ユーロ/ドル
  • ユーロ/円
  • ユーロ/ポンド

ユーロは、ドルに次いで2番目に多い量で、3番目の円の2倍以上となっています。

ユーロの特徴

ユーロの最大の特徴は、ドルの代替え通貨としての役割です。
基本的に世界経済はドルを中心にまわっていまが、サブプライム問題以降、金融市場の混乱と景気減速懸念、双子の赤字や中東との関係など、さまざまな問題に直面して米国に対する信頼感は、以前と比べると低下しており、世界的にドル一辺倒の状況に対するリスク認識が強まってきました。

たとえば、外貨準備などのように、大量かつ長期的な取引が求められる状況では、簡単に他の通貨を選ぶというわけにもいきません。そうした中で取引量が多く、欧州の統一通貨として経済的な裏付けもあるユーロが、これまでドルだけが担ってきた基軸通貨としての役割の一部を担うようになってきました。

この特徴により、ユーロの動きは、ドルと逆相関になる場合が多くなってきています。
ドル買い=ユーロ売り、ユーロ買い=ドル売りという具合です。

最近の例では、原油高によりドルが売られる一方で、ユーロ/ドル以外でもユーロ買いとなるケースが見られます。ユーロ圏の国では、基本的に原油は取れず、原油高は経済にとってマイナスですが、世界最大の石油消費国である米国に対する悪影響が懸念され、ドル売りが強まる中で、代替え通貨としてのユーロの買いが広がっています。